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23日・旧市街の外へ1
遊歩道を西に折れる。
しかし店舗らしきものはほとんど見当たらなかった。
小さな公園があり、奥に古びた教会が見えた。
実はここ、昨日散策したときにもちょっとだけ入ってみたのだが、
とても気になっていたのだ。

Švč. M. Marijos Ėmimo į dangų bažnyčia
聖母の被昇天を祀るフランシスコ教会

正面から見ると普通の古い教会。
しかし側面の痛みはひどくレンガが崩れかけていて、
抜けかけた屋根から浸水しないように覆いが被せてある。
さらに中に入ると・・・。

↑かろうじてもうけられた祭壇と椅子

廃墟のような内部は、装飾や備品は取り外され、
明日にも取り壊されそうな惨状。
壁のフレスコ画は削り取ったような跡があり、
当時の栄華を偲ぶものはない。

この教会の歴史は14世紀までさかのぼり、
ヴィリニュスでももっとも歴史ある教会のひとつらしい。
(もちろん何度も改築&修復を経ている)
しかし第2次大戦後、スターリン主義政権によって窃取され、
このような状況になるまで破壊&放置された。
ようやくフランシスコ会に返還されたのが1998年。
わずか10数年前のことだ。

今後、ゆっくりでもいいから修復されて、
再び美しい教会が復活することを願いたい。

入り口に昨日もいた軍服のおじさん。
ニコニコと話しかけてくれるんだけど、
言葉がわからなくてごめん。

内部のパノラマ映像(外部リンク)↓
http://www.panoramas.lt/m_katalog.php?&p_id=427&lg=2


教会を出てさきほどの道に戻ると、
大きめの交差点に小さなカフェを発見した。
テラス席に座り、メニューを見るとピザ屋だった。
リトアニアに来てピザもな〜と思い、
まだ店員も気づいていなかったので店を出た。

さらに西へ進む。
道幅が広くなり古ぼけた集合住宅が左右に並んでいる。
完全に旧市街の外に出たようだ。

↑去年リーガで見た風景に似ている

道はずっと上り坂で、けっこう足にくる。
疲労と暑さで空腹なのかよくわからなくなってきた。
すると突然、タマネギ屋根のロシア正教会が見えてきた。

Šv. Konstantino ir Michailo cerkvė
聖コンスタンティーヌ&聖ミカエル正教会

緑色の屋根がかわいらしいこの教会は、
ロマノフ王朝誕生300周年を記念して1913年に建てられた教会。
旧市街にも正教会は多数あるが、
典型的なタマネギ屋根はここくらいかも。
午前中に登った展望塔からこの教会が遠くに見えたけれど、
歩いてみるとそれほど遠くなかったな。

上り坂を登りきると、大きな交差点に出た。
このまま西を見ても店がなさそうなので、北に曲がる。
さらに上り坂が続く。
ここでようやくガイドブックの地図を確認すると、
この坂の上に「野牛の丘」なる丘が記載されていた。
何があるかは書いていないが、いちおう行ってみるか。


疲れてきて風景を楽しむ余裕がなくなる。
もはや写真を撮る余裕すらもない。

ようやく、野牛の丘に到着。
・・・しかし、小さな広場があるだけだった・・・がっかり。

しかし、ガイドブックに名前があるくらいだから、
何かしら所縁のある場所だろうと帰国後に調べたら、
ここは古来より重要な墓地で、立派な礼拝所もあったとか。
しかし1958年にソビエト当局により閉鎖され、
1974年に撤去されてしまったとか。

こうやってヴィリニュス市内を歩いたり調べたりしていると、
何かしら名前の残っている場所は、
負の歴史を背負っていることが多いということ。
しかもそれが大昔のことでなく、
近代に起きた比較的新しい歴史だという事実だ。


野牛の丘の斜面を下る。(途中、ネコの死体があってびびる)
とにかく飲食店のある通りまで出なければ。
しかし森と急斜面に阻まれて、
大きく迂回しなければならなかった。

23日・旧市街の外へ1_d0168083_23312493.gif
ここまでのルート(クリックで拡大)
# by novilog3 | 2010-05-12 00:00 | 23日・旧市街の外へ1


はじめての方へ
このブログは、旅人Novi(ノヴィ)が2010年5月に、リトアニアの首都ヴィリニュスに滞在した感想を、叙情的かつ優雅に妄想した滞在記です。
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